皆さんは、海外からでも日本の国政選挙に投票できることをご存知でしょうか?「在外選挙制度」を使えば、海外からでも「在外投票」をすることができます。
この「在外投票」、私の住む台湾では、2025年に大きな変化がありました!
今回は、在外選挙制度の概要と、台湾から在外投票をした体験談をまとめたいと思います。
目次
在外投票とは?
在外選挙制度
在外投票について、外務省ホームページには以下のように説明されています。
海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度を「在外選挙制度」といい、これによる投票を「在外投票」といいます。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証を持っている人です。
引用:在外選挙制度とは|外務省
注意点としては、投票できるのは国政選挙(衆議院議員選挙、参議院議員選挙、最高裁判所裁判官国民審査)に限られているということです。つまり、残念ながら地方選挙(都道府県知事選挙など)には投票できません。
在外選挙人名簿への登録申請
在外投票を行うには、事前に在外選挙人名簿への登録の申請をしなければなりません。
在外選挙人名簿への登録の申請は、「出国時申請」と「在外公館申請」があります。
・出国時申請
出国前に日本国内の最終住所地の市区町村の選挙管理委員会に対して申請する方法。
・在外公館申請
出国後に居住している地域を管轄する在外公館(大使館・領事館)の領事窓口で申請する方法。その在外公館の管轄区域内に3か月以上継続して住所を有していることが必要。
申請の流れの詳細は下記をご参照ください。
在外選挙制度とは|外務省
私は「在外公館申請」をしました!後ほど詳しく記載します。
在外選挙の投票方法
在外投票の方法は、「在外公館等投票」「郵便等投票」「日本国内における投票」の3つがあります。
・在外公館等投票
在外公館等に直接出向いて投票する方法。在外選挙人証を持っていれば、居住している国・地域にかかわらず、在外選挙を実施しているどの在外公館等でも投票することができる。
・郵便等投票
登録先の市区町村選挙管理委員会に投票用紙を直接郵送する投票方法。
・日本国内における投票
在外選挙人証を提示して日本国内で投票する方法。選挙の時期に一時帰国した場合や、帰国後国内の選挙人名簿に登録されるまでの間(住民票の作成後3か月間)などに行う。
投票の流れの詳細は下記をご参照ください。
投票方法|外務省
私は「在外公館等投票」をしました!後ほど詳しく記載します。
台湾での在外投票
実は2025年に行われた参議院議員選挙は、台湾での在外投票の転換点でした。
何故なら、初めて「在外公館等投票」ができるようになった、つまり初めて投票所が設置されたから!
それまでは、台湾国内で在外投票するには「郵便等投票」しか選択肢がなく、煩雑な手続きが必要でした。
しかし、2025年以降は、台湾の在外公館等(日本台湾交流協会)に行けば、その場で投票できるようになったのです!
参照:外交関係のない台湾で初めての在外投票始まる 参院選、韓国や中国でも – 産経ニュース
私はこの2025年参議院議員選挙、そしてその次の国政選挙である2026年衆議院議員選挙・最高裁判所裁判官国民審査に、台湾国内から「在外公館等投票」を行ってきました。

以下に、その体験談をまとめたいと思います。
実際に投票してみた!台湾での在外投票レポ
在外選挙人名簿への登録の申請(在外公館申請)
上記したように、在外投票を行うには、事前に在外選挙人名簿への登録の申請をしなければなりません。
今回、私は「在外公館申請」の方法で申請を行いました。
まず、申請する際は、以下の2点をクリアしている必要があります。
・日本国内の最終住所地の市区町村に「海外転出届」を提出している
・その地域を管轄する在外公館に「在留届」を提出している
上記2点をクリアしていれば、在外公館において「在外選挙人名簿」の登録申請を行います。私の場合は、日本台湾交流協会 台北事務所で行いました。
そしてこの申請、同居家族であれば代理で行うことができます!
私は夫に申請しに行ってもらいました。その際、以下のものが必要になります。
・在外選挙人名簿登録申請書:「署名」の欄に登録申請者本人の署名が必要
・申出書:登録申請者本人の署名が必要
・登録申請者本人の日本国旅券
・登録申請者本人に代わって登録申請を行う方自身の日本国旅券
つまり、申請書や申出書を予め記入し、パスポートを夫に預ける必要がありました。夫自身のパスポートも必要です。
申請書・申出書は下記からダウンロードできました。
在外選挙関連申請書一覧|外務省
申請が終わったら、「在外選挙人証」が日本台湾交流協会に届くのを待ちます。届いたら連絡をくださいます。申請時は、届くまで約1か月と説明を受けましたが、実際にはもっと早く届きました。※あくまで私たちの場合。
申請日:2025年6月16日
届いた日:2025年6月23日(私)
2025年7月2日(夫)
※私たちの場合、日本国内の最終住所地が夫婦で異なっていたので日数にばらつきが出ました。
在外選挙人証の受け取りは、日本台湾交流協会窓口か郵送で行います。窓口受け取りは本人のみ(同居家族でもNG)だったので、郵送をお願いしました。郵送は少々日数がかかった印象です。
これで無事、在外投票を行う準備が整いました。
2025年の参議院議員選挙
2025年の参議院議員選挙は以下のように行われました。

まず、初めて在外投票をして驚いたのは、「在外公館等投票」の場合、投票期間が日本より短いことです。
2025年の参議院議員選挙の場合、
公示日:2025年7月3日
日本国内の投票日:2025年7月20日
に対し、在外公館等投票の期間は、
投票期間:2025年7月4日~14日
と、日本国内の投票日より1週間ほど早く投票が締め切られます。
投票期間を意識していないと、せっかくの機会を逃しかねないなと思いました。
投票時間は9:30~17:00。投票期間中は土日も投票を受け付けています。
持ち物は、在外選挙人証とパスポートがあれば大丈夫です。
投票場所は台北と高雄があります。私の管轄は台北なので、「日本台湾交流協会 台北事務所」に伺いました。
連絡先・アクセス | 公益財団法人日本台湾交流協会
文湖線/松山新店線「南京復興」駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

入り口には係りの方がいらっしゃり、在外投票と告げると案内してくださいます。
中にも案内があります。


投票の仕方も日本国内で行うのとはかなり異なりビックリ!
以下のような流れで進みます。
①投票用紙等請求書の記入
②投票用紙を登録市区町村に送るための封筒の宛名を書く
③投票用紙に候補者名を記入→内封筒に封→外封筒に登録市区町村と自分の氏名と在外選挙人証の交付番号を書いて封(比例も同様)
④ ①~③の確認後、立会人の名前を記載してもらう
このように、日本国内で行う選挙には無い工程が多くあります。
ただ、すべての工程で、職員の方が丁寧に説明してくださるので、困ることはありませんでした。
また、候補者名に関しては、全選挙区分の名簿が用意されているので、事前に覚えていかなくても大丈夫です。比例に関しても、政党名と候補者名の名簿が用意されています。個人的に事前に不安になっていたポイントだったので、名簿があって助かりました。
2026年の衆議院議員選挙・最高裁判所裁判官国民審査
基本的な概要は、参議院議員選挙の時と同じでした。

ただ、「在外公館等投票」の場合、投票期間がより短くなっていました。
2026年の衆議院議員選挙・最高裁判所裁判官国民審査の場合、
公示日:2026年1月27日
日本国内の投票日:2026年2月8日
に対し、在外公館等投票の期間は日本国内の投票日より1週間ほど早く投票が締め切られるため、
投票期間:2026年1月28日~2月2日
と、わずか6日間しかなく、少し驚きました。
投票の流れも、基本的に参議院議員選挙の時と同じです。
①投票用紙等請求書の記入
②投票用紙を登録市区町村に送るための封筒の宛名を書く
③投票用紙に候補者名(小選挙区)/政党名(比例)/不信任に✕(国民審査)を記入→内封筒に封→外封筒に登録市区町村と自分の氏名と在外選挙人証の交付番号を書いて封
④ ①~③の確認後、立会人の名前を記載してもらう
今回もすべての工程で、職員の方が丁寧に説明してくださるので、困ることはありませんでした。
また今回も、候補者名に関しては、全選挙区分の名簿が用意されています。自分がどの選挙区に属するかは在外選挙人証に記載されています。
比例に関しても、どの都道府県がどのブロックに属するか名簿に記載され、そのブロックで選べる政党名が名簿に記載されています。
国民審査に関しては、審査対象の裁判官が名簿に記載されています。
事前に覚えていかなくても大丈夫なのは、とても有難いポイントです。
まとめ
今回は、台湾から在外投票をした体験談をまとめました。
要点をまとめると下記のようになります。
・海外からでも日本の国政選挙に投票できる!
・事前に在外選挙人名簿への登録申請が必要。
・台湾にも在外投票の投票所が設置された。
・日本国内の投票日より1週間ほど早く投票が締め切られる。
・候補者名や政党名を事前に覚える必要はない。
皆さんの参考になれば幸いです。
